東南海地震津波

東南海震源、浅い断層破壊
想定越す津波の恐れ

紀伊半島沖(熊野灘沖)で起きる東南海地震の震源域では、海側のプレートと陸側のプレートの境界にある断層の破壊が、従来考えられていたよりもも浅い場所まで広がっていたことが、海洋研究開発機構の海底探査で分かった。震源域が沖合いに広がり、想定よりも大きな津波が起こる可能性がある。
同機構の坂口有人技術研究主任(地質学)らが千葉市で開かれている日本地球惑星科学連合大会で24日に発表する。
東南海地震は、東日本大震災と仕組みが同じ『プレート境界型』。断層の破壊は、海底から約7千メートル以上の深い場所で起き、浅い場所までは広がらないと考えられていた。
坂口さんらは、三重県の熊野灘沖の海底にあるプレート境界先端部で、地球探査船『ちきゅう』を使って掘削した。その結果、海底からの深さ438メートルの断層面で、熱によって変質した石炭の一種を見つけた。過去の地震による摩擦熱で出来たと見られるという。
東南海地震は東海地震や南海地震などと連動することで、大規模な津波が起こる恐れが指摘されている。坂口さんは『たとえ単独で起きたとしても、断層破壊の広がり方次第では大きな津波になる可能性がある』と話す
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(川田俊男)
朝日新聞より