2月の京滋地震情報

2月18日に岐阜県中西部(当初は福井県と発表)でマグニチュード(M)5.2の地震が起きました。震源は岐阜、福井、滋賀の県境に近い山中で、岐阜県揖斐川町で最大震度4、近畿、東海など広い範囲で有感でした。京滋でも震度3や2となり、大きな揺れを感じた方も多いと思います。震源から遠い兵庫県の一部でも飛び地のように震度3の場所がありました。
上の地図の範囲では1999年以来この10年間で4万3000回余りの小さな地震が観測されていますが、M5以上は今回も含め4個しかありません。
今回の地震は通常起きている中小の地震の中では大きいものと言えるでしよう。
地震の規模Mが大きいほど強く揺れ、同じ地震でも震源に近いほど揺れが大きくなります。ですから震度は震源を中心とした同心円状の分布となり、震源から遠くなるほど小さくなっていきます。
では、今回兵庫県で震度3の場所があったのはなぜでしょうか?断層のずれる方向と観測点の位置関係や、地下構造の影響で震度分布の同心円の形はゆがめられます。一般に平野にたまった土砂の層は柔らかく地震の揺れを増幅し、堆積(たいせき)層のほとんど無い山地の何倍もの揺れになります。堆積平野でも地盤の軟弱なところはさらに揺れが大きくなります。同じ地震でも周囲より揺れる場所
は、地盤の特性で揺れが局所的に大きくなっている可能性があります。地盤の善しあしは、建物の耐震性とともに大地震の際の被害を左右する主な要因の一つと言えます。
(片尾 浩 京大防災研地震予知研究センター准教授)
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京都新聞 2009/3/19

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