京都新聞掲載の京滋地震情報 2月 の欄で京大防災研片尾准教授は次の南海トラフの活動は300年前(1707年10月28日旧暦10月4日)の宝永地震級(日本最大級の地震(推定マグニチュード8.6~8.7))もありえることを示唆されています。
当組合の最古参の方に1944年(昭和19年)の東南海地震の経験をお聞きしたことがあります。
当時兵役で三重県に赴任されていてこの地震(震度6)に遭われたそうですが、不気味な地鳴りとともに地面や建物が波打ち、歩くどころか立ってさえいられない状態で近くの電柱か何かにしがみついていた。建物は吹き飛ぶように潰れ、外に居たから救われたものの建物内に居たらひとたまりもなく建物に押しつぶされていただろう。ああいうものを体験していると数秒前に地震が来ることが分かったとしても何が出来るというもんじゃないですよ…こう教えていただきました。
私は、もしあなたが当時建物の中に居て緊急地震速報を聞きえたならばどうしましたか?とお尋ねしました。
「そりゃあんた、すぐ外に逃げ出したよ…
安全なところに居たからこそ助かった、少しでも前に分かれば危険なところから退避することぐらいは出来るだろうね、あんな大きな揺れが突然来たらもう逃げるどころじゃないからね、揺れだしたら何も出来ないが揺れる前なら確かに出来ることはあるかも知れんな。」
いつ来るか分からない巨大地震の備え、ほんの少しの備えが大切な命を救うことが出来るのです。あなたの職場職域に安全地帯を作っておいてください。物が落ちてこない、倒れてこない場所を作っておいてください。ただそれだけで救われる可能性は大きくなるのです。