「緊急地震速報」知って、全国の児童・生徒に小冊子配布へ

 強い揺れの到達前に地震発生を知らせる「緊急地震速報」について、文部科学省は、本格運用の開始前の9月中に、速報の仕組みや発表時の対処などをホームルームの時間や授業を通じて、全国の児童・生徒と園児の保護者ら1700万人に周知することを決めた。

 速報の認知度が低く、速報が発表されても、子どもの安全確保につながらない恐れがあると判断した。

 この制度は、大地震の発生直後に観測データから強い揺れの到達時刻や震度を推定して伝えるもので、気象庁が10月1日から、地震の際にテレビなどを通じて一般に提供する。

 速報発表から強い揺れが到達するまでの時間はわずか数秒から数十秒。このため、同速報を受けて、机の下に隠れて身を守るなどの対処をスムーズに行うためには、あらかじめ仕組みや対処法を理解しておく必要がある。

 同省は、気象庁と協力して、速報についてアニメの人気キャラクターが解説するパンフレット2100万部を作製。9月上旬までに全国の小・中学校や高校、幼稚園に配布する。

 日本民間放送連盟が今年2月に行った調査では、緊急地震速報の名前や内容を知っている人は24%しかいなかった。安倍首相も今年3月の中央防災会議で、政府一体で緊急地震速報の国民への周知に取り組むよう呼びかけていた。

(2007年8月11日15時4分 読売新聞)

以下気象庁HPより
子どもたちにも広く知られている「クレヨンしんちゃん」をキャラクターに用いたリーフレットができました。
子ども用リーフレット「緊急地震速報って知ってる!?」
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【様々な場面における具体的な対応行動】
1.家庭
家庭での対応行動の指針が全ての場面での基本であり、家庭以外の学校や職場等で緊急地震速報を受信した時の行動についても、家庭での指針を基に自ら考えておくことが重要です。
・頭を保護し、大きな家具からは離れ、丈夫な机の下などに隠れる
・あわてて外へ飛び出さない
・その場で火を消せる場合は火の始末、火元から離れている場合は無理して消火しない。
・扉を開けて避難路を確保する。

2.不特定多数の人が出入りする施設
施設の従業員等の指示に従うことが基本です。なお、施設従業員等から明確な指示がない場合は
・その場で、頭を保護し、揺れに備えて身構える。
・あわてて出口・階段などに殺到しない。
・吊り下がっている照明、倒れやすいもの(陳列棚等)から離れる。

3.屋外
・ブロック塀や自動販売機が倒れて来るかも知れないのでこれらのそばから離れる。
・ビルの壁、看板、割れたガラスが落ちてくるのでビルのそばから離れる。丈夫なビルのそばであればビルの中に避難する。
・落石・崖崩れに注意
4.乗り物で移動中
『自動車運転中』
・後続車が情報を聞いていないかも知れないのであわててスピードを落とさず、ハザードランプを点ける等の余裕があれば点灯し周りの車に注意を促した後ゆっくりとスピードを落とし、大きな揺れを感じたら出来るだけ安全な方法で、道路状況を確認して左に停止させる。
『鉄道・バスに乗車中』
・つり革、手すりになどにしっかりつかまる。
『エレベーター利用中』
・最寄の階で停止させ、速やかにエレベーターから降りる。

一般向け緊急地震速報の利用の心得より