気象庁
報道発表日
平成26年7月14日
概要
気象庁における、今後の緊急地震速報の技術的改善についての計画をお知らせします。
本文
緊急地震速報は、強い揺れの前の身の安全確保、工場での機械の自動制御等、地震災害の防止・軽減を目的に導入し、今年で試験運用開始(平成16年2月)から10年、一般提供開始(平成19年10月)から7年目を迎えます。
この間、緊急地震速報(警報)は、地震災害の防止・軽減に役立てられてきましたが、平成23年東北地方太平洋沖地震では、東北地方に対しては主要動の到達前に緊急地震速報(警報)を発表したものの、関東地方への緊急地震速報(警報)の発表はありませんでした。また、その後の広域にわたる活発な地震活動により、震度予想が過大となる緊急地震速報の発表が続きました。さらに昨年8月8日には過大な震度予想となる緊急地震速報を広域に発表しました。
このため気象庁では、精度改善に向けた応急な措置を講じてきたところですが、緊急地震速報の精度のさらなる向上のためには、同時に複数の地震が発生した場合の不適切な震源推定の回避、及び巨大地震発生時における広域に及ぶ強震動域の適切な把握が重要です。 これらの状況を踏まえて、今後5年以内を目途に以下の改善を図っていく予定です。(1)同時に複数の地震が発生した場合でも、震源を精度良く決定
~パーティクルフィルタを用いた統合震源決定手法(IPF法)の導入~
【これにより改善が確認された事例】
・平成25年8月8日の広域に発表した過大な震度予想事例の回避
・平成23年3月から4月に発表した全21誤報事例の回避(2)巨大地震発生の際に強く揺れる地域をより適切に予想
~近傍で観測されたリアルタイム震度から震度予想をする手法(PLUM法)の導入~
【これにより改善が確認された事例】
・東北地方太平洋沖地震による関東の強震動域の適切な推定なお、これらの改善により、緊急地震速報の不適切な情報発表が全くなくなるわけではありません。このような緊急地震速報の特性や技術的限界をご理解の上、ご利用ください。
問い合わせ先気象庁 地震火山部 地震津波監視課
電話 03-3212-8341 (内線4559、4544)